創世工房Low-Rewrite

 私、浅香由衣!どこにでもいそうな中学生!(いるとは言ってない)ある日、「力がほしいか?力が欲しいなら僕と契約!」と言われて、ノリで契約したら魔法少女になっちゃった!別に変身とかはしないけど、魔法が使えるようになったの!リア充を爆破したり、部屋に引きこもったり、魔法を好きなことに使ったり、コスプレしたり、毎日が充実しだしたよ!そんな私をみんなは特にマジカル☆ゆいにゃんとは呼ばないけど、これからも力の限り豪遊します!

「弱きは挫き、強きは助ける!お金と権力には滅法弱い!魔法少女マジカル☆ゆいにゃん!定刻通りズバット参上!」



 今日は2月13日、そうバレンタインデー前日です。
「バレンタインかぁ……」
「これはこれは男日照りが続いて、最近女としての潤いと悦びをだんだん失ってきてる真衣ちゃんじゃないですか」
「あっ、由衣ちゃん。ってなんなの、その私が年から年中男を漁ってるビッチみたいな紹介文」
「事実じゃん事実。真衣ちゃん、そんな男を誘うような体しててビッチじゃないとは言わせないよ!絶対!」
 二人とも美少女に違いないが、由衣の言う通り体の起伏には随分と差があり、真衣は中学二年生とは思えないくらい大人びていて、体格もすごく下着も胸は大人用をつけていたのだ。しかし、由衣はというと胸はペタンコ、下着も別につけなくてもいいんじゃないかというくらいであった。
 そして、性格はというと、二人がビッチかどうかは置いておいて、真衣は見た目通り大人しめで、どちらかというと由衣のほうが子供であった。
「なんなのかなこの説明文?おい作者いい加減なこと言うなよ」
 ギラリと光る野獣の眼光が真衣をにらみつける。
「ちょっ、由衣ちゃん!どうしたの?作者?作者って誰?」
「あはっ、こっちの話だよ真衣ちゃん。ところで明日はバレンタインだけどどう
かしたの?」
「実はね、かくかくしかじか」
「えっー!さやかちゃん明日告白するの!?しかもその男子がこの前真衣ちゃんに告白してきた人だって!?そしてそして、その男子は遊び人で何人もの女の子を泣かせたきた奴だって!?」
「そうなの。だからどうしようかと思って」
 これは面白いことになってきたと思い、陰でほくそ笑む由衣。それを見て心配になる真衣であった。



そして、2月14日バレンタイン当日。
体育館裏ではさやかちゃんこと朱美さやかと一人の男子が向かい合って立っていた。
「あ、あの。わ、私……」
「なんだい?」
その時であった。
「ちょーっと待ったー!人も知らず!世も知らず!影となりて悪を討つ!魔法少女マジカル☆ゆいにゃん!定刻通りズバット参上!」
「なんなんだ、君は!?」
「え、え?」
 突然の乱入者の出現に戸惑う二人。
「私はまどろっこしいことは嫌いなの。だから最初からクライマックスよ!行くわよ。ラジカル マジカル あいつのポケットの中のものをすべてとりだーせ!」
 由衣が不思議なポーズをとりながらそう言った次の瞬間、男子のポケットからは生徒手帳、ペン、時計などの普通の物がひとしきり出てきた後から大量のチョコが出てきた。
「うおっ!なっなんだ!ちょちょっと、やめ!やめ!」
「さやかちゃん。それがその男の本性よ!」
 そう言いながら真衣も現れた。そして、真衣はカツカツと男子のもとに近づくと、大きく平手打ちを食らわせた。パシンッという乾いた音が響く。
「結局体だけが目当てだってことなんですね。この前のお返事はお断りさせていただきます!」
 そうして真衣は去っていった。
「え、え、ああうう。ご、ごめんなさーい!」
 さやかも戸惑いながらも走ってその場から去って行った。それと入れ替わるように大量の女子が体育館裏にやってきた。
「あなたって最低の屑だわ!」
「最低です!」
 などと罵声と平手打ちを浴びせ去って行った。そして残ったのは由衣とぼこぼこになった男子だけだった。
「今年のバレンタインはさんざんだあ、がくっ」
「もう乙女心はもてあそんじゃいけないよ?これにて一件落着!あー、すっきりした!」
 こうして今回も自分の楽しみのために魔法を使い、結果として人を助けた?我等が魔法少女マジカル☆ゆいにゃん!次は何をしでかすのか!?今後の活躍にこうご期待!






←前の章   戻る   次の章→