創世工房Low-Rewrite

「ここが主の家か……我が居住としてはなかなかだの」桜芽に俺の家を紹介する。これから一緒に暮らすことになるのだが……
「ところで桜芽……お前って飯とか食うのか?」実体化しているときの桜芽には触れることが出来る。ということはやはり飯も必要だろうと思ったのだ。
「この姿で居るのは我も体力を使うからの……基本的にはおんしらと同じと思ってもらって大丈夫じゃ」
「成る程」
「それにわっちはまともに食事をしたことがない、だから食事をしてみたいというのもある」
「なんか悪魔ってのも大変だな……てかどうやって産まれるんだ?」人間と同じ……なわけないな。
「他の悪魔を見たことがないからわからぬが……わっちは人間の『死にたくない』という想いから産まれたぞ」
「つまり、強い想いが集まることで悪魔は産まれると……」ファンタジーの世界観だろ、これ。
「そういうことじゃな……そうだ、主よ」桜芽は翼を消し、床に降りると、
「少し体が汚れた……風呂とやらに入ってもよろしいか?」悪魔といっても女性、やっぱり風呂には入りたいものなのか……いや、ただの興味かもな。
「おう、沸かしてあるから入ってこい」先程、家の中を案内しているときに沸かしておいたのだ。
「何を言っておる?」何故か桜芽は動こうとしない。
「さっき風呂の場所教えただろ?」
「お主も一緒に入るのだぞ?」
……え?
「わっちはお主から離れることが出来ぬからな」
「なぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

「ふぅ……風呂というのは気持ちがいいのう」結局一緒に入ることになってしまった。しかも桜芽が、
「その格好で居たら主が寒いであろう……ほれ、入れ」とか言って半場無理矢理入れられた挙げ句、その上から桜芽が入ってくるという謎の展開になってしまっている。しかも桜芽は、上で手や足をしきりに動かしている。
「くっ……」無論、俺も桜芽もバスタオルを巻いてはいるが、悪魔とはいえ見た目は……
「ぬ?どうした、主よ」そんな俺の気持ちを知らずか知ってか、俺の手を自分の腹部へ持っていく。こいつには恥がないのか……?
「ちょ、桜芽っ……」
神よ、俺は普通に生きたいです……ラブコメもギャルゲ展開も要らないですよ……
「ふふふ、主の人生はわっちのものということを忘れるでないぞ?」
……泣きたいです。






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