創世工房Low-Rewrite

「そのままの意味だよ。君が言いたいこと――本音は、君が今言ったことではない。つまり、ユウコはまだ本音を言っていない。
ただし、僕は君の本音を知っている。ついでに言うと、僕は君自身が知らないことも知っている」
 どうして。何故。いや、本当に?
 「ユウコは僕が君をこの世界に連れてきた理由を知りたがった。でも僕はそれを説明しようとして、途中でこの世界のことについて問いかけてきた。
君は渋々答えながら、内心こう思ったでしょ? 『何故良いところで話題を切り替えるのか、小一時間問い詰めたい』って」
 「あ、えと、それは」合ってる。けど「どうして……?」
 「あと君は自分自身を冷静であんまり動揺しない人間だと思っている。でもそんなことはないよ。君はあ人より少し我慢強いだけの普通の女の子だ。
『冷静だ』っていうのは他人が見た君であって、君自身じゃない。ユウコは素直だから人の言ったことを直ぐ信じてしまうところがあるね。
現に、君はこが異世界だと言われたらあっさり信じた。もしかしたら催眠術にかけられただけかもしれないのに。
 周りの光景もそれを後押しして、疑惑はほぼ皆無と言って良い。……まあ、異世界だっていうのは事実なんだけど」
 筋は――通っている。しかし、いきなりそんなことを言われても……私は……「それと」
 「君は自分に自身が無さ過ぎる。虐めも捻れた自分像も、根本はそこにあるようだね」
 思わず……沈黙する。いや、言葉が出ていかないが正しいのかもしれない。反論も論駁も。何故だろう。できない。
 話を変えるよ。プレはそう言ってティーポットとカップ、ついでにクッキーも、テーブルの下に降ろした。目の前で言われた筈の言葉が頭の奥底で響くこの感じは何だろう。
 「君はこの世界を『凄いところ』だと言ったよね?」
 こくん。再び頷く。声は、出そうとしても出なかった。口の直ぐ奥で詰まってしまったみたいだ。気持ち悪い。
 「でもね、実はそんなことはないんだよ。この世界は、実はとってもちっぽけなんだ」
 それは、つまり、どういう……? だめ。やっぱり声出ない。






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